摩耶観光ホテルについて

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2015年 01月 06日

摩耶観光ホテルについて31(資料28)

資料紹介28 絵はがき「摩耶山全景」など、神戸 岡部商店印刷事務所?、1935年頃

 摩耶山温泉ホテル時代の絵はがき3枚。発行は、裏面に 「神戸 岡部商店印刷事務所 印刷」と記されており、同社によるものと思われるが、あるいは発行・発売元は異なる可能性もある。ここで注目されるのは、3枚とも同じ軍艦の写真が挿入されている点である。「軍艦摩耶」と記されたこの船は、昭和初期から太平洋戦争中に存在し、摩耶山に因んで命名された海軍の重巡洋艦 摩耶と考えられる(当時の軍艦名について、戦艦は旧国名(大和・長門など)、巡洋艦は山や河川の名称を使用することが慣例となっていた)。摩耶は高雄型重巡洋艦の3番艦として、1930(昭和5)年に神戸の川崎造船所で進水、32(昭和7)年に完成し、日中・太平洋戦争で使用され、44(昭和19)年10 月にフィリピン パラワン島沖で米軍潜水艦の雷撃により沈没している。以下の絵はがきは、こうした摩耶を摩耶山やケーブル・天上寺などと一緒に提示している。明確な意図は わからないが、地元で建造され、その地名を冠した軍艦に対する愛着が当時は強かったのかもしれない。

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摩耶山全景

 ここには上部に天上寺、下部にケーブル摩耶駅周辺の情景が描かれており、形は正確とは言い難いが一番手前の建物はマヤカン(摩耶山温泉)と想定される。また細かい点だが、天上寺の堂宇に三重塔が描かれているが、実際に存在していたのは多宝塔である。

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摩耶山ケーブル
ここでも天上寺に三重塔が描かれている。

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佛母摩耶山忉利天上寺
こちらでは三重塔ではなく多宝塔の形態となっている。

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絵はがきの裏面

なお上記絵はがきは「摩耶山および摩耶観光ホテル関連資料」で紹介していたが、ここで改めて紹介する。


by nk8513 | 2015-01-06 14:57 | Comments(0)


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