摩耶観光ホテルについて

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2019年 03月 28日

摩耶観光ホテルについて52(資料49)

資料紹介49 「開設当時の摩耶山温泉」(阪神電気鉄道株式会社臨時社史編纂室編『輸送奉仕の50年』阪神電気鉄道株式会社、1955(昭和30)年)

 阪神電鉄の社史に掲載されたマヤカン。社史は第二次大戦後で、かつマヤカンが摩耶観光ホテルとして再デビューする1961(昭和36)年より前の1955(昭和30)年の出版。したがって当時、マヤカンは閉鎖されていたが、写真はタイトルの「開設当時」通り、マヤカンが摩耶山温泉ホテルとして開業した直後に撮影されたものである。以前から参照しているケーブル会社の社史(『六甲山とともに五十年』、1982(昭和57)年)にも、同一の写真が「開設当時(昭和4年11月)」というタイトルで掲載されており、マヤカンの開業時期(1929(昭和4)年11月16日仮営業開始)と一致している。ただし手前に見える「ベビーゴルフ場」の存在から、撮影時期は1931(昭和6)年5月以降とも考えられる(後述)。


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開設当時の摩耶山温泉

 この写真は、フリー百科事典 ウィキペディアの「摩耶観光ホテル」の項でも紹介されているが、マヤカンの古い写真として他の文献にも紹介されている。2本ある煙突の1本から煙が上がっていることから、営業中の状態と思われる。ホテル手前は整地され、芝生のようなものが植えられているように見えるが、ホテルに平行した道路も確認できる。以前から紹介している通り、ホテル下部には「野田山遊園地」が存在しており、道路は遊園地に向かう、あるいは遊園地内の遊歩道と考えられる。 マヤカン以上に注目されるのが、手前にある城郭の天守閣のミニチュアが置かれた施設である。ケーブル会社社史の年譜によれば、1931(昭和6)年の5月に「野田山遊園地内にベビーゴルフ場設置」とある。明確ではないが、6や8と表記されたポールのようなものがあることから、やはりゴルフ場的な施設と思われる。よって、この写真は、この時期以後に撮影されたとも考えられる。このゴルフ場は、以前紹介した絵はがきや神戸市垂水区にある「絵葉書資料館」所蔵の絵はがき:Maya Park 摩耶遊園地周辺 ベビーゴルフ 神戸港観艦式遠望でも確認される。
 ただし、以前存在した「六甲ヒルトップギャラリー」のホームページ上で公開されていた絵はがきでは、同じ場所で子供達が足漕ぎの自動車を漕ぐ光景が撮られている。これと同じ絵はがきが絵葉書資料館に所蔵(Maya Hotel 足漕ぎ自動車 摩耶観光ホテル 昭和11年頃)されているが、このタイトルが「足漕ぎ自動車 摩耶観光ホテル 昭和11年頃」とされている。マヤカンを第二次大戦後の名称である摩耶観光ホテルを使用していることから、このタイトルは絵葉書資料館が独自に付与したものと思われるが、昭和11年頃の根拠は確認できない(最初に紹介した絵葉書資料館の絵はがきのタイトル「摩耶遊園地周辺 ベビーゴルフ 神戸港観艦式遠望」にある観艦式(神戸沖では1930(昭和5)年10月・1933(昭和8)年8月・1936(昭和11)年10月に実施)を考慮?)。ケーブル会社の社史でも特に何も記載されていないが、1933(昭和8)年7月に「野田山遊園地内(摩耶山温泉前面)に植樹、猿舎、運動具の新設、道路の増設完成」とあり、あるいはこの時期に施設が変更されたとも推測される。

 以下は、マヤカンの写真とともに摩耶山関連で掲載されていたもの。また摩耶山に関しては、次のように記載されている。ケーブルの復活(1955(昭和30)年5月)直前の状況とわかる。

 社業の足あと(略史) 七 戦後経営の十カ年(46〜47ページ) 摩耶ケーブルの復活 戦時中鉄材供給で設備が撤去されていた摩耶ケーブルは、当社の傍系事業として十一年ぶりに復活することとなった。このケーブルは山上の古刹忉利天上寺への参詣人誘致をめざし、遠く大正十四年一月摩耶鋼索鉄道株式会社によって開業されたわが国ケーブル界の古顔である。ふもとの高尾駅から海抜四百五十二メートルの摩耶駅まで延長九百三十七メートル、勾配の急なことはその頃東洋一であり、世界でも四番目であった。昭和四年には摩耶駅付近に四階建の摩耶山温泉を開設してホテルや遊園施設をしたが、ケーブルは昭和十九年二月運転休止を命ぜられて晩秋から撤去に着手し、レールその他の資材を高尾駅構内に集積したが、活用もされぬまま終戦となった。たまたま神戸市営をもって山嶺の掬星台よりケーブル山上駅付近にいたる八百十七メートルにロープウェイを架設することとなり、本年六月頃開通を目標に進工中であるが、同社においてもこれに呼応してケーブルを復活することになり、すでに昨二十九年十月工事に着手した。ロープウェイよりも一足お先に四月下旬頃開通の見込みであるが、この両者が相前後して動き出したら、掬星台よりさらに山上バスを通じ六甲ケーブルと連絡するので、一時間余りで摩耶六甲周遊が可能になり、さらに山上ホテルその他の諸施設も神戸市と連携して完備することとなっているから、新しい観光施設として戦前とは面目を一新するだろう。

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山上より港都神戸の東部を望む

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摩耶ケーブル


by nk8513 | 2019-03-28 16:05 | Comments(0)


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