1 2010年 04月 10日
摩耶観光ホテルについて19(資料16) 資料紹介19 『春!! 武運長久祈願 霊峰 花のまや山』神戸名所 まやケーブル(摩耶鋼索鉄道株式会社)、1938〜39年春頃 ![]() 春!! 武運長久祈願 霊峰 花のまや山1 ケーブル会社が発行したリーフレット。タイトル・表題およびイラスト等から確認できるように、前回紹介したもの(摩耶観光ホテルについて18、2009年10月)と同じ春季用に作製されたものである。下部に桜花に囲まれる形で天上寺の塔(実際は多宝塔だが、イラストは三重塔)が大きく描かれている。中央左にケーブルの線路と駅(摩耶駅)があり、上部は麓の灘地区および船が浮かぶ海が描かれており、総じて摩耶山上空から見下ろすような視点の構図となっている。 ![]() 春!! 武運長久祈願 霊峰 花のまや山2 発行年については、例によって記載されておらず正確には不明である。ただ、末尾のケーブル会社の所在地が「神戸市灘区箕岡通四丁目六」と1936(昭和11)年2月以降の番地となっている。また表題などに「武運長久祈願」「厚生体位向上」の戦時色のある文言が確認されていることから、日中戦争開始(1937(昭和12)年7月)後の1938(昭和13)年以降のものと考えられる。さらに以前紹介した1939(昭和14)年末頃のリーフレット(摩耶観光ホテルについて14、2007年7月)について、掲載されている摩耶山附近案内図が今回のものと同一だが、39年6月に捕獲された「キングコング」の紹介は今回のものでは確認されない、39年末のものは紙質が悪く、色も単色のであるが、今回のは多色刷で、紙質も悪くない。以上のことから、このリーフレットは、1938年か39年の春頃に発行されたものと推定される。 ![]() 春!! 武運長久祈願 霊峰 花のまや山3 マヤカンについては、まず中央右に「余興場」として紹介されているが、中央左に「摩耶温泉 一階及二階ホテル、三階は大食堂、特別室、四階余興場」と、以前紹介したものが温泉・ホテル等を別施設のように記載していたのに対して、それらが同一の建物内にあることを明記している点が注目される。また食堂について「一般食堂(中略)一品料理は三十銭以上、ランチ六十銭」「特別室定食堂、洋食、和食共に定食本位洋食一円二十銭、二円、和食一円以上、室内より大阪、神戸、両湾は勿論紀淡の海峡まで一望のうちにあります」と詳しく記していることも、以前のものにはみられない。載せられている写真からは、マヤカンの東側の遊歩道が確認できる。おそらく以前紹介した野田山遊園地に通じるか、その一部と思われる。なおここに挙げられている「ホテル御宿泊料及御休憩料」のうち、A室の休憩料が以前紹介したもの(摩耶観光ホテルについて8(2006年3月)・9(2006年4月)・13(2007年5月)・18(2009年10月) )では一人2円・二人3円であったが、ここではそれぞれ3円と5円に、B室の宿泊料が一人3円、二人4円が二人のみ5円に、B室の休憩料が一人1円50銭、二人2円からそれそれ2円50銭と4円に、いずれも値上がりしている。 ![]() 春!! 武運長久祈願 霊峰 花のまや山4 ▲
by nk8513
| 2010-04-10 01:12
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